醤油の種類

<濃口醤油> 
全国の醤油の消費量の83%を占める最も一般的な醤油。塩味のほかに、深い旨味、まろやかな甘味、爽やかな酸味、味を引き締める苦味を合わせ持つ。
<薄口醤油> 
関西で生まれた色の淡い醤油で、全体の約14%を占める。食塩をこいくち醤油より約1割多く使用。素材の持ち味を生かすために、色や香りを抑えた醤油。
<溜まり醤油> 
主に中部地方でつくられる色の濃い醤油。トロ味と、濃厚な旨味、独特な香りを持つ。加熱すると綺麗な赤身がでる。
<再仕込み醤油> 
山陰から九州地方にかけての特産醤油。麹を仕込む時に塩水の代わりに生醤油を使用。仕込みを2度くりかえすので「再仕込み」と呼ばれている。色、味、香とも濃厚な醤油
<白醤油> 
主に愛知県碧南地方で作られる。薄口醤油よりさらに淡く琥珀色の醤油。味は淡泊ながら甘味が強く、独特な香りがある。

しょうゆ

主な原材料は、大豆、小麦、塩の3種類

<大豆> 
主成分のたんぱく質が麹菌により分解され、醤油の旨味成分のアミノ酸が生まれる。
<小麦> 
主成分であるでんぷんが麹菌の働きでブドウ糖に変わり、さらに乳酸菌や酵母により有機酸やアルコールがつくられる。
<塩> 
塩味のもととなる。また、乳酸菌・酵母といった有用な微生物を緩やかに働かせるために重要な役割を行う。

食欲をそそる美しい色

例えば、こいくちしょうゆは、透明感のある鮮やかな赤橙色、素材に食欲をそそる美しい色をつけます。うすくちしょうゆは、黄色みを含んだ淡い赤橙色、そざいの色合いを大切に生かします。種類によって異なるこうしたしょうゆの色は、おもに小麦から生まれるブドウ糖と、大豆のたんぱく質からつくられるアミノ酸が熟成中に反応してできるメラノイジンという物質によるものです。

五原味が醸し出す奥深い味

<旨み>
醤油の旨味は、大豆と小麦に含まれるたんぱく質が麹菌により分解され、約20種類のアミノ酸に変化して生まれます。
<塩味>
醤油の塩分は、濃口醤油で16%ぐらい、それほど塩辛く感じないのは、その他の成分が塩見を和らげ、深みのある味を作りだしているからです。
<甘味>
醤油の甘味は、小麦のでんぷんが醸造中にブドウ糖に変化して生まれます。味を柔らかくし、丸みを持たせる働きがあります。
<酸味>
醤油の酸味は、乳酸菌の働きによってブドウ糖を変化して生まれます。塩見を和らげ、味をひきしめる働きをしています。
<苦味>
苦みを直接感じることはありませんが、「コク」を与える隠し味的存在として、醤油の味をすっきりとひきしめています。

香りの成分は300種類以上

醤油の香りは非常に複雑で、麹菌、酵母、乳酸菌などの微生物の働きによって生まれます。本醸造醤油に含まれる香り成分は、りんごやバラやバニラなど、現在発見されているだけでも300種類以上。特定の香りが目立ちすぎることなく、全体の調和して醤油独特な香りを作り出しています。魚介類や肉類の生臭さを消すスパイスの働きを持ち、加熱すると芳ばしい香りが生まれます。

醤油の効果

生臭さを見事に消してしまう

しょうゆをつけて刺身を食べるのは、味だけではなく醤油に生臭みを消す大きな働きがあるからです。これはしょうゆ中のアミノ酸の一種、メチオチンが変化したメチオノールという物資の働きによる消臭効果です。

日持ちをを良くする塩分と酸

醤油には、塩分と有機酸が含まれています。それらには大腸菌などの増殖を止めたり、死滅させる効果があります。醤油漬けや佃煮などはこの効果を利用して日持ちを良くしています。

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